酵母 | 上面発酵酵母 | 下面発酵酵母 |
造られるビール | エール | ラガー |
発酵温度 | 16℃〜24℃ | 4℃〜10℃ |
発酵時間 | 短い(3〜6日) | 長い(6〜10日) |
特徴 | フルーティ 奥深い味わい | シャープな飲み口 |
上面発酵酵母は16℃〜24℃と高い温度で発酵する酵母です。常温といっていいでしょう。3日〜6日と比較的短い期間で発酵します。発酵中に液面に上昇するので上面発酵と呼ばれます。
15世紀に下面発酵酵母が発見されるまでは上面発酵酵母のみが使用されていました。1883年に酵母の純粋培養の技術が確立されましたが、それまではいわゆる野生酵母で発酵が行われていました。
ビール造りの歴史はとても古く諸説あり、紀元前7000年頃から存在していたとも言われていますが現在の定説では紀元前3500〜3000年頃のメソポタミア文明でビール造りは始まったとされています。いずれにせよアルコール飲料の中で世界最古の部類になります。それだけ長い歴史を持つビールですが、その歴史のほとんどは上面発酵によって作られてきました。
ビールの歴史はエールの歴史と言っていいでしょう。
下面発酵酵母の発見以降ドイツでは下面発酵のスタイルがいくつも誕生しましたが、イギリスやベルギーでは伝統的なエール造りが続けられました。
特にイギリスは今でもエール大国で、世界中の8割がピルスナーを飲むなかイギリスはエールとラガーの消費が50:50です。こんなにエールを愛している国は世界中でイギリスだけです。地ビール大国と思われているベルギーも消費の7割がピルスナーだったりします。
エールのビアスタイルはそれぞれとても個性的ですが、香りが豊かで複雑で味に深みの有るものが多いです。
その複雑な香味を引き出すためにエールは10℃〜16℃とちょっと高めの温度で楽しみます。